「30坪の家の屋根葺き替えって、結局いくらなんだろう」
「調べるほど金額の幅が広くて、うちはどれに当てはまるのか分からない」
屋根葺き替え30坪の費用を調べると、記事によって金額が大きく違い、かえって不安になった方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、延床30坪・2階建ての家なら、屋根葺き替えの費用は約115〜185万円が目安です。金額の土台は屋根面積で決まり、同じ30坪でも屋根面積は約2倍変わります。
相場記事の金額がバラバラなのは、同じ『30坪』でも想定している屋根面積が記事ごとに違うからです。施工実績5,500件以上のトベシンホームが、あなたの家の屋根面積の確かめ方と、手元の見積もりを自分で検算する手順を解説します。
なお、坪数を問わず屋根葺き替え費用の全体像を知りたい方は、屋根葺き替え費用の相場をまとめた記事を参考にしてください。

この記事でわかること
- 延床30坪・2階建ての屋根葺き替え費用は約115〜185万円(計算根拠つき)
- 同じ30坪でも延床か建坪か、平屋か2階建てかで屋根面積が約2倍変わること
- 見積もりが相場からずれたときに確認する3つの変動要因
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※本記事の情報は2026年8月時点のものです。
屋根葺き替え30坪の費用相場は約115〜185万円
延床30坪・2階建ての家の場合、屋根葺き替え費用の目安は約115〜185万円です。屋根面積を約68㎡とし、スレートやガルバリウム鋼板といった一般的な屋根材で葺き替える前提の金額になります。
単価表のすべての項目を最安値で計算すると、約89万円という数字も出ます。ただし最安の単価が全項目でそろう家は少ないため、実際は約115〜185万円に収まるケースが大半です。

ここでは屋根材ごとの目安と、金額の内訳を解説していきます。
屋根材の組み合わせで総額の目安が変わる
屋根葺き替えの総額は、いま載っている屋根材と新しく載せる屋根材の組み合わせで変わります。延床30坪・2階建て(屋根面積約68㎡)の目安は次のとおりです。
| 既存屋根材 | 新規屋根材 | 総額の目安 |
|---|---|---|
| スレート | スレート | 約115〜155万円 |
| スレート | ガルバリウム鋼板 | 約120〜165万円 |
| 瓦 | スレート | 約120〜165万円 |
| 瓦 | ガルバリウム鋼板 | 約130〜175万円 |
| トタン | ガルバリウム鋼板 | 約120〜155万円 |
価格差が生まれる理由は、屋根材そのものの単価に加えて、撤去と処分の費用が違うからです。瓦は重量があるぶん撤去と処分が割増になりやすく、次の単価表の上限を超える場合もあります。
一方でガルバリウム鋼板は軽くて施工しやすく、工期を短くできるぶん人件費を抑えられます。スレートは初期費用を抑えられますが、耐用年数は他の屋根材より短めです。
屋根材ごとの費用をさらに細かく知りたい方は、屋根材別の記事を参考にしてください。スレートへの葺き替えと瓦屋根の葺き替えは、それぞれ専用の記事で単価まで解説しています。


費用の内訳は1㎡あたりの単価で決まる
屋根葺き替え費用の内訳は、次の単価に屋根面積を掛けた合計で決まります。
| 工事項目 | 単価の目安(1㎡あたり) |
|---|---|
| 既存屋根材の撤去費 | 1,500〜3,000円 |
| 廃材処分費 | 1,500〜3,000円 |
| 新規屋根材(瓦) | 8,000〜12,000円 |
| 新規屋根材(スレート) | 5,000〜8,000円 |
| 新規屋根材(ガルバリウム鋼板) | 6,500〜9,000円 |
| 下地補修費用 | 2,500〜3,500円 |
| 防水シート施工費 | 500〜1,500円 |
| 足場費用 | 900〜1,500円 |
上記の合計に、諸経費として工事総額の10%ほどが加わります。
屋根工事の見積もりは坪単価ではなく、1㎡あたりの単価で書かれるのが一般的です。坪単価表記の見積もりを受け取ったら、㎡単価に直して比べてみてください。
単価表は、後の章で自分の見積もりを検算するときに使います。
同じ屋根葺き替え30坪でも屋根面積は約2倍違う
『30坪』という言葉には、延床面積の30坪と建坪(1階の面積)の30坪の2つの意味があります。どちらを指すかで屋根面積が大きく変わるため、費用の目安も変わります。
延床30坪の2階建てなら約68㎡、平屋や建坪30坪なら約127㎡で、差は約1.9倍です。相場記事の金額がバラバラなのは、想定している屋根面積が記事ごとに違うことが大きな理由になります。
まずは自分の家がどちらの『30坪』なのかを確かめましょう。

ここでは2つのパターンを解説していきます。
延床30坪の2階建てなら屋根面積は約68㎡
延床30坪の2階建ての場合、1階の面積(建坪)は約15坪、平方メートルに直すと約49.6㎡です。屋根は建坪の上に載るため、屋根面積は延床ではなく建坪から計算します。
計算手順は次のとおりです。
- 建物の縦横の寸法を確認する(例:7.3m×6.8m=約49.6㎡)
- 軒の出(一般的に45cm)を四方に加える
- (7.3m+0.9m)×(6.8m+0.9m)×勾配係数1.077=約68.0㎡
勾配係数とは、屋根の傾きによる面積の増加分を補正する数字です。一般的な4寸勾配(約22度)では1.077を使います。
つまり延床30坪・2階建ての屋根面積は約68㎡です。この記事の費用目安(約115〜185万円)は、屋根面積約68㎡を前提にしています。
総2階でない家は1階が広いぶん建坪が大きくなり、屋根面積も増えます。正確な面積は業者の現地調査で実測してもらいましょう。
平屋や建坪30坪なら約127㎡で費用も上がる
平屋の30坪は、建坪がそのまま30坪、平方メートルに直すと約99.2㎡です。同じ計算方法で軒の出を加えて勾配係数を掛けると、屋根面積は約127㎡になります。
延床30坪・2階建て(約68㎡)と比べて屋根面積は約1.9倍です。費用の目安もおおむね同じ比率で上がり、約210〜340万円まで届きます。
『30坪』という同じ言葉でも、平屋か2階建てかで費用がここまで変わるのです。相場記事を読むときは、どちらの前提の金額かを確かめてください。
また建坪30坪で2階建ての家は延床60坪に相当し、屋根面積は平屋の30坪とほぼ同じになります。延床60坪の住まいの費用は、60坪の記事で詳しく解説しています。

20坪や40坪、50坪など、ほかの坪数の費用目安は次の記事を参考にしてください。



屋根葺き替え30坪の見積もりを検算する3ステップ
ここまでの単価表と屋根面積がそろえば、手元の見積書が妥当かどうかは自分で判定できます。値切るためではなく、提示された金額に納得して決めるための手順です。
見積書を用意して、上から順に確かめてみてください。

ここでは検算の手順を解説していきます。
見積書の屋根面積を自分の計算と照らす
最初に見るのは金額ではなく、見積書に書かれた屋根面積です。前の章で計算した自分の家の面積(約68㎡または約127㎡)と大きくずれていないかを確かめます。
見積書の面積のほうが広い場合、次のような理由が考えられます。
- 下屋(1階部分の屋根)が面積に含まれている
- 軒の出を大きく見ている
- 屋根の勾配が急だと判断されている
いずれも正当な理由になり得ます。まずは業者に根拠を聞いてみましょう。
そもそも屋根面積が書かれていない見積書は要注意です。面積が分からなければ、他のどの項目も妥当かどうか検証できません。
1㎡あたりの単価を項目ごとに突き合わせる
面積が確認できたら、見積書の各項目の㎡単価を単価表と突き合わせます。極端に高い項目がないかを、1行ずつ見ていく作業です。
実際に検算してみましょう。スレートからガルバリウム鋼板へ葺き替える場合、撤去2,000円+処分2,000円+屋根材7,500円+下地補修3,000円+防水シート1,000円+足場1,200円で1㎡あたり16,700円になります。
屋根面積68㎡を掛けると約114万円です。先ほどの目安(約120〜165万円)に近い数字が出ました。
見積書が総額しか書かれていない場合は、内訳を出してもらってから検算してください。
総額に諸経費10%が乗っているか確かめる
先ほどの約114万円に諸経費10%を足すと、約125万円になります。記事の目安である約115〜185万円にきちんと収まることが確認できました。
諸経費とは、現場の管理費や運搬費、廃棄物の申請にかかる費用などをまとめた項目です。工事総額の10%前後が一般的で、極端に高い場合は内訳を聞いてみると良いでしょう。
古い建物では下地の劣化が見つかり、予定外の補修費用が発生する場合もあります。見積もり金額の15〜20%ほどを予備費として確保しておくと安心です。
屋根葺き替え30坪の費用が上がる3つの要因
屋根面積が同じ約68㎡でも、建物の状態によって屋根葺き替え費用は変わります。見積もりが約115〜185万円の目安からずれているときは、次の3つの要因が理由になっていないかを確かめてください。
ここでは費用が上がる要因を解説していきます。
屋根の形状と勾配で1〜2割変わる
屋根の形が複雑なほど、工事の手間が増えて費用は上がります。最も一般的な切妻屋根(本を伏せたような2面の屋根)と比べて、寄棟屋根や入母屋屋根では費用が1〜2割ほど増えるのが一般的です。

屋根の傾きも費用に影響します。一般的な4寸勾配より急な屋根では、職人の安全確保のための追加措置が必要になり、費用が上がります。
さらに下屋がある家では屋根の総面積が増え、接合部分の処理も必要です。見積もりに『下屋』の項目があれば、面積に含まれているかを確認しましょう。
築25年を超えた家は下地の補修費がかかる
築年数が長いほど、屋根材の下にある野地板(屋根の土台になる板)の劣化が進んでいる可能性が高くなります。築25年を超えた建物では、野地板の腐食や垂木の傷みが見つかるケースが少なくありません。
下地の補修は1㎡あたり2,500〜3,500円が目安です。腐食が広範囲に及び野地板の全面交換が必要になると、屋根面積68㎡の家では40〜70万円ほど費用が増える場合もあります。
古い建物では防水シートが入っていないこともあり、新たな防水対策が必要です。築25年を超えた家の見積もりでは、下地補修の項目が入っているかを確認してください。
アスベスト入り屋根材は撤去費が上がる
2004年10月1日より前に製造されたスレート屋根材には、アスベスト(石綿)が含まれている可能性があります。国は2004年10月1日に石綿を重量の1%を超えて含む建材の製造などを禁止し、2006年9月1日からは0.1%を超えるもので全面禁止としました。
アスベスト入りの屋根材は、撤去のときに特別な飛散防止対策が必要です。通常のスレート撤去が1㎡あたり1,500〜3,000円に対し、アスベスト入りでは5,000〜6,000円ほどに上がります。
屋根面積68㎡の家なら、撤去費だけで15〜30万円ほど増える計算です。飛散防止の養生も必要になるため、工期も通常より長くなります。
築20年以上の家で見積もりが高いと感じたら、アスベスト処理費が含まれていないかをまず確かめましょう。
屋根葺き替え30坪の費用を安く抑える方法
屋根葺き替えの負担を軽くする道は、工法の選択と制度の活用の2つです。どちらも条件に合えば数十万円単位の差になるため、契約前に確かめてください。
ここでは費用を抑える方法を解説していきます。
カバー工法なら撤去と処分の費用がかからない
カバー工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねる工事です。既存屋根を撤去しないため、撤去費と処分費がまるごと不要になります。

屋根面積68㎡なら、撤去と処分で20〜40万円ほどの差になる計算です。アスベスト入りのスレート屋根でも、撤去しなければ高額な処理費用は発生しません。
ただしカバー工法が向かない家もあります。瓦屋根は構造上カバー工法ができず、下地まで傷んだ家や雨漏りが進んでいる家では、重ねても土台の問題が残るのです。
葺き替えとカバー工法のどちらが合うかは、両者の違いを比べた記事で詳しく解説しています。

火災保険と自治体の補助金を確かめる
台風や強風、雹(ひょう)などの自然災害で屋根が壊れた場合は、火災保険の風災補償の対象になる可能性があります。一方で、経年劣化による傷みは補償の対象外です。
災害の後に屋根の破損に気づいたら、修理の契約前に保険会社へ相談してみてください。なお『保険を使えば無料で直せる』と勧誘して回る業者には注意が必要です。
自治体の補助金や助成金は、地域によって有無も条件も異なります。お住まいの市区町村の窓口やホームページで、屋根リフォームに使える制度があるかを確かめておきましょう。
屋根葺き替え30坪を頼む業者の選び方
屋根葺き替えは同じ工事内容でも、業者によって見積もり金額が大きく変わります。金額の安さだけで選ばず、見積もりの中身と対応で見極めることが大切です。
そもそも葺き替えが必要な状態なのか迷っている方は、判断基準をまとめた記事から読んでみてください。

ここでは業者を見極める2つのポイントを解説していきます。
総額だけの見積もりを出す業者は要注意
内訳のない見積もりは、金額が妥当かどうかを検証できません。実際に、屋根の見積もりを受け取った方からは次のような声が上がっています。
200万円という詳細なしの大雑把な見積金額がとても怪しく感じます
引用元:Yahoo!知恵袋『屋根の葺き替えについて』
一式いくらという書き方ではなく、工事項目ごとに面積と㎡単価が書かれているかを確認しましょう。内訳を出せない理由を説明できない業者は、避けたほうが無難です。
見積書のどこを見ればよいかは、屋根工事の見積もりの見方をまとめた記事でも解説しています。
屋根面積の根拠を説明できる業者を選ぶ
見積書の屋根面積をどう測ったのかを聞いてみてください。測り方には次のような違いがあります。
- 図面から拾う
- 現地に上がって実測する
- ドローンで撮影して算出する
どの方法で出した数字かによって、面積の確からしさは変わります。
面積の根拠を聞かれて答えられる業者は、他の項目についても説明できます。逆に『だいたいこれくらいです』で済ませる業者は、工事中に想定外の追加費用を出してくる可能性があるでしょう。
実際に、屋根の面積を把握したうえで妥当性を確かめようとする方もいます。
屋根が7面で2面は急です。面積が85㎡、足場仮設220㎡ですと、いくらくらいが妥当でしょうか?
引用元:Yahoo!知恵袋『屋根のリフォームについて』
面積という共通のものさしがあれば、業者との会話は具体的になります。業者選びで迷っている方は、屋根葺き替え業者の選び方をまとめた記事も参考にしてください。
屋根葺き替え30坪についてよくある質問
- 30坪の屋根葺き替えの工期はどれくらいかかりますか
-
延床30坪・2階建ての家であれば、1〜2週間程度が目安です。
屋根の形状が複雑な場合や、下地の補修が必要になった場合はさらに日数がかかります。天候によっても前後するため、余裕を持った日程で計画してください。
- 見積書に屋根面積が書かれていないときはどうすればよいですか
-
面積を書いた見積書を出してもらうよう依頼してください。
屋根面積が分からなければ、㎡単価が妥当かどうかを検証できません。面積を出したがらない業者は、見積もりの根拠そのものが曖昧な可能性があります。
- 30坪ならカバー工法と葺き替えのどちらが安いですか
-
撤去費と処分費がかからないぶん、カバー工法のほうが安くなります。
屋根面積68㎡なら20〜40万円ほどの差です。ただし瓦屋根や下地まで傷んだ家ではカバー工法を選べないため、まずは屋根の状態を確認してもらいましょう。
- 30坪の家の足場代はいくらくらいですか
-
15〜25万円程度が目安になります。
足場代は屋根面積ではなく、建物の外周と高さで決まる仕組みです。3階建てや敷地が狭く組みにくい現場では、目安より高くなる場合もあります。
- 30坪の屋根葺き替えで火災保険は使えますか
-
台風や強風、雹などの自然災害で壊れた場合は、風災補償の対象になる可能性があります。
経年劣化による傷みは対象外です。災害の後に破損に気づいたときは、修理を契約する前に保険会社へ相談してください。
まとめ
延床30坪・2階建ての屋根葺き替え費用は、屋根面積約68㎡を前提に約115〜185万円が目安です。同じ『30坪』でも平屋や建坪30坪なら屋根面積は約127㎡になり、費用の目安は約210〜340万円まで上がります。
相場記事の金額がバラバラに見えるのは、想定している屋根面積が違うからです。見積もりが目安からずれているときは、屋根の形状と勾配や下地の傷み、アスベストの有無を確かめてください。
見積書の面積を自分の計算と照らし、㎡単価を項目ごとに突き合わせれば、金額の妥当性は自分でも検算できます。正確な金額を知りたい方は、ドローンを使った屋根の無料診断で自分の家の屋根面積を確かめるところから始めてみませんか。
屋根工事45年のプロフェッショナル。日本瓦から最新屋根材まで3万件以上の施工実績を持ち、独自開発した「増山式耐風工法」は台風対策として業界で高評価。文化財修復にも携わりながら、職人育成学校での若手指導や各メーカーの製品開発顧問として、伝統技術の継承と革新に貢献。

