MENU

屋根断熱リフォームの全知識!費用相場とメリット・デメリットも解説

屋根リフォーム断熱のアイキャッチ画像

「夏は暑すぎて寝苦しい、冬は寒くて光熱費がかかる…」
「屋根裏やロフトを快適に活用したいけど、どんな断熱方法がいいのかわからない」
「断熱リフォームはどのくらいの費用がかかるのだろうか」

このような悩みを抱えている方は少なくないでしょう。

家の中で最も過酷な環境にさらされる屋根は、住宅全体の断熱性能に大きな影響を与えます。実は、屋根からの熱の出入りは住宅全体の約30%を占めているのです。

適切な屋根断熱リフォームを行うことで、一年中快適な室内環境を実現できるだけでなく、光熱費の削減も期待できます。

しかし、工法や断熱材の種類、施工方法によって効果や費用は大きく異なるため、事前の知識が重要となるのです。

この記事では、屋根断熱リフォームの基礎知識から工法、断熱材の種類、メリット・デメリット、そして費用相場まで詳しく解説します。

これから断熱リフォームを検討される方の判断材料として、ぜひご活用ください。

この記事のポイント

  • 断熱と遮熱は効果が異なる
  • 屋根断熱の工法は4つ
  • 断熱リフォームで光熱費削減が可能
この記事の監修者
増山親方
増山親方

屋根工事45年のプロフェッショナル。日本瓦から最新屋根材まで3万件以上の施工実績を持ち、独自開発した「増山式耐風工法」は台風対策として業界で高評価。文化財修復にも携わりながら、職人育成学校での若手指導や各メーカーの製品開発顧問として、伝統技術の継承と革新に貢献。

目次

屋根断熱リフォームとは

屋根断熱リフォームは、建物の屋根部分に断熱対策を施すことで室内環境を快適にする工事です。断熱と遮熱の違いや、屋根断熱と天井断熱の違いを理解しましょう。

適切な断熱方法を選ぶことで、一年を通して快適な室内環境を実現できます。

断熱と遮熱の違い

断熱と遮熱は似た言葉ですが、効果が異なります。断熱は熱の移動を防ぐ役割を持ち、夏は外からの熱を遮り、冬は室内の暖かさを逃さないように機能します。

一方、遮熱は主に太陽熱を反射する効果を持ちます。夏の強い日差しを反射して室内温度の上昇を抑えますが、冬は暖かさを逃がしてしまうデメリットがあります。

断熱は年間を通して効果を発揮するため、快適な住環境を求める場合はまず断熱対策を優先すべきでしょう。遮熱は夏場の暑さ対策に特化した方法と言えます。

屋根断熱と天井断熱の違い

屋根断熱と天井断熱は施工場所と効果範囲が異なります。屋根断熱は屋根面に沿って断熱材を設置するため、屋根裏空間も含めた家全体を断熱できます。

天井断熱は天井材の上に断熱材を敷き詰める方法で、居住空間のみを断熱します。屋根裏は外気の影響を受けやすく、その空間を活用することは難しいでしょう。

ロフトや吹き抜けなど開放的な空間づくりを考えている場合は屋根断熱が適しています。一方、コスト面では天井断熱の方が安価に施工できる特徴があります。

屋根断熱リフォームの工法

屋根断熱リフォームには主に4つの工法があります。建物の状態や予算、求める効果によって最適な工法が異なります。

それぞれの特徴を理解して、自宅に最適な工法を選びましょう。

外張り断熱工法

外張り断熱工法は、屋根の構造体の外側から断熱材を施工する方法です。垂木の上に断熱材を敷き詰め、その上から野地板を張り、最後に屋根材を設置します。

この工法の最大の特徴は高い断熱性能です。構造体全体を断熱材で覆うため、熱橋(ヒートブリッジ)を防ぎやすく、効果的な断熱が可能となります。

既存住宅のリフォームやDIYでの施工にも適していますが、他の工法に比べて費用が高くなる傾向があるため、予算との兼ね合いを考慮する必要があるでしょう。

充填断熱工法

充填断熱工法は、屋根を支える垂木と垂木の間に断熱材を充填する方法です。断熱材を構造材の間に詰めるため、外張り断熱に比べて費用を抑えられます。

施工は、まず気密シートを室内側に張り、その上から断熱材を充填していきます。グラスウールやセルロースファイバーなど柔軟性のある素材が適しています。

ただし、垂木部分は断熱材が入らないため完全な断熱は難しく、熱橋が生じやすいという欠点があります。そのため、防湿層の施工も重要な要素となるでしょう。

内張り断熱工法

内張り断熱工法は、室内側から断熱材を施工する方法です。屋根の構造体を解体せずに施工できるため、既存住宅のリフォームに向いています。

この工法では、まず室内側に断熱材を貼り付け、その上から石膏ボードなどの内装材を施工します。工事範囲を最小限に抑えられるため、工期が短く比較的安価に施工できるという利点があります。

ただし、室内空間が少し狭くなることや、他の工法に比べて断熱効果がやや劣る点がデメリットです。防湿層の設置位置や通気層の確保など、細かな配慮も必要となります。

断熱塗装工法

断熱塗装工法は、断熱効果のある特殊な塗料を屋根に塗ることで断熱性を高める方法です。既存の屋根材をそのまま使用できるため、工期が短く費用も抑えられます。

塗料には、セラミック系や顔料系など様々な種類があり、熱の反射や遮断効果によって室内温度の上昇を抑制します。特に夏場の暑さ対策に効果的でしょう。

ただし、断熱材を用いる他の工法と比べると断熱効果はやや限定的です。また、5〜7年程度で塗り直しが必要となるため、長期的な費用も考慮する必要があります。

屋根断熱リフォームに使われる断熱材

屋根断熱には様々な種類の断熱材があり、それぞれ特性や価格が異なります。適切な断熱材を選ぶことで効果的な断熱リフォームが可能です。

断熱性能、価格、施工性などを考慮して最適な素材を選びましょう。

無機繊維系断熱材

無機繊維系断熱材は、ガラスや鉱物などの無機物質を繊維状にした断熱材です。代表的な製品にグラスウールやロックウールがあります。

この断熱材の特徴は防火性と防音性に優れていることです。価格も比較的安価で、1平方メートルあたり600〜1,800円程度と経済的な選択肢となります。

しかし湿気に弱いという欠点があり、適切な防湿対策が必須となるでしょう。施工時には必ず防湿層を設けるなど、慎重な処理が求められます。熱伝導率は0.033〜0.050W/mKと一般的な性能を持っています。

発泡プラスチック系断熱材

発泡プラスチック系断熱材は、合成樹脂を発泡させて作られた断熱材です。硬質ウレタンフォームやポリスチレンフォームなどが代表的です。

この素材の最大の魅力は優れた断熱性能と防湿性にあります。薄い材厚でも効果的な断熱が可能で、軽量なため施工性にも優れているのが特徴です。熱伝導率は0.019〜0.043W/mKと非常に低く、高い断熱効果を発揮します。

価格は1平方メートルあたり600〜6,000円程度と種類によって幅がありますが、熱に弱いという性質から火災時の安全性には注意が必要となります。

木質繊維系断熱材

木質繊維系断熱材は、天然の木材繊維を主原料とした環境に優しい断熱材です。セルロースファイバーなどが代表的な製品として知られています。

この断熱材は優れた気密性と吸放湿性を持ち、室内の湿度を自然に調整する効果があります。結果として快適な住環境の実現に貢献するでしょう。防音性能も高く、静かな室内空間を作り出すことが可能です。

熱伝導率は0.038〜0.040W/mKと安定した断熱性能を示しますが、価格は1平方メートルあたり6,000〜9,000円程度と高めになる傾向があります。

天然素材系断熱材

天然素材系断熱材は、羊毛や炭化コルクなど自然由来の材料でできた断熱材です。環境負荷が低く、シックハウス症候群などの心配が少ないのが特徴です。

この素材は高い断熱性能と優れた調湿効果を持ち、健康志向の高い方に人気があります。熱伝導率は0.037〜0.049W/mKと一般的な性能を備えています。

ただし価格は1平方メートルあたり1,200〜8,000円程度と高額で、入手性にも制限があるため、検討の際は予算との兼ね合いを考慮する必要があります。

屋根断熱リフォームのメリット

屋根断熱リフォームには様々なメリットがあります。快適性の向上だけでなく、経済的なメリットも期待できるでしょう。

これらのメリットを理解し、自宅の状況に合わせて断熱リフォームを検討しましょう。

メリット1:室内温度の快適化

屋根断熱の最大のメリットは室内温度を快適に保てることです。通常、屋根は夏場に70〜80℃近くまで温度が上昇し、その熱が室内に伝わってきます。

屋根断熱を施工することでこの熱の侵入を効果的に防ぎ、夏は涼しく過ごせるようになります。特に断熱性能の高いフェノールフォームなどを使用した場合、屋根裏の温度を35℃程度にまで抑えることも可能です。

冬場は室内の暖かい空気が屋根から逃げるのを防ぎ、快適な室温を維持できるため、年間を通して安定した居住環境を実現できるでしょう。

メリット2:光熱費の削減効果

適切な屋根断熱を行うことで冷暖房の効率が大きく向上します。夏は外からの熱侵入を防ぎ、冬は室内の暖気を逃さないため、冷暖房機器の稼働時間を抑えられるのです。

住宅からの熱の出入りは屋根部分が約30%を占めるといわれています。この熱移動を抑制することでエネルギー効率が向上し、光熱費の削減につながります。

さらに空調機器への負担が軽減されるため、機器の寿命を延ばす効果も期待できるでしょう。長期的に見れば、断熱リフォームの初期投資を上回るコスト削減が可能となります。

メリット3:屋根裏空間の有効活用

屋根断熱を施工すると屋根裏空間を居室と同じような環境に保つことができます。天井断熱の場合、屋根裏は外気と同様の環境になってしまいますが、屋根断熱であれば快適に使用できる空間となります。

これにより収納スペースやロフト、子供部屋など様々な用途で屋根裏空間を活用できるようになるのです。敷地に余裕がない都市部の住宅では、限られた空間を最大限に活用できる点が大きな魅力となります。

さらに梁を見せるような勾配天井やロフトなど、開放的なデザインの採用も可能になり、デザイン性と機能性を両立した住空間が実現できるでしょう。

メリット4:結露防止効果

適切な屋根断熱リフォームには結露を防止する効果もあります。結露は室内外の温度差によって発生し、カビやダニの繁殖、建材の腐食など様々な問題を引き起こします。

断熱材を適切に施工することで屋根や壁の表面温度を室温に近づけ、結露の発生を抑制できるのです。特に発泡プラスチック系断熱材は防湿性に優れており、結露防止に高い効果を発揮します。

結露対策として適切な通気層の確保や防湿層の設置も重要ですが、根本的な解決策として断熱性能を高めることが最も効果的といえるでしょう。住まいの長寿命化にも貢献します。

屋根断熱リフォームのデメリット

屋根断熱リフォームには様々なメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。事前に理解しておくことが重要です。

これらのデメリットを踏まえた上で、メリットとのバランスを考慮して判断しましょう。

デメリット1:初期費用の高さ

屋根断熱リフォームは天井断熱と比較して工事費用が高くなる傾向があります。これは断熱材を施工する面積が広くなることと、屋根の形状に合わせた施工が必要となるためです。

施工には専門的な技術と経験が求められるため、人件費も高額になります。特に外張り断熱工法の場合は屋根材を一度撤去する必要があり、その分コストが上昇します。

とはいえ、光熱費の削減効果や居住性の向上を考慮すれば、長期的には十分な投資価値があるといえるでしょう。また補助金制度の活用も検討に値します。

デメリット2:断熱材の厚み制限

屋根断熱では構造上の制約から断熱材の厚みに制限があります。充填断熱の場合は屋根の構造材の厚みが上限となり、外張り断熱でも一般的に10cm程度が限度です。

一方、天井断熱では断熱材の厚みに制限がないため、より高い断熱性能を求める場合には不利になることがあります。特に寒冷地での施工では、必要な断熱性能を確保するための工夫が求められるでしょう。

このため断熱材の選択や施工方法については、専門家との十分な相談が必要になります。高性能な断熱材を選ぶことで、限られた厚みでも効果を最大化することが可能です。

デメリット3:工期の長さ

屋根断熱の施工は天井断熱と比べて工期が長くなる傾向があります。特に外張り断熱工法の場合、屋根材の撤去から断熱材の施工、新しい屋根材の設置まで多くの工程が必要となります。

防水層や通気層の確保、結露対策など細かな配慮が必要な作業も多いため、天候の影響を受けやすく、予定より工期が延びることもあるでしょう。

工事中は生活に影響が出る可能性もあるため、施工業者との綿密な打ち合わせと、ある程度余裕を持った計画が必要です。季節や天候を考慮した工事時期の選定も重要な要素となります。

屋根断熱リフォームの費用相場

屋根断熱リフォームの費用は、工法や使用する断熱材、施工面積によって大きく変動します。一般的な30坪程度の住宅における費用相場は以下の通りです。

工法1平方メートルあたりの費用総工事費
外張り断熱工法8,000円以上60〜250万円
充填断熱工法4,000円以上20〜60万円
内張り断熱工法4,000〜8,000円30〜70万円
断熱塗装工法4,000〜6,000円30〜70万円

断熱材の種類によっても費用は変わります。無機繊維系は比較的安価で、天然素材系は高価格帯となっています。

さらに、足場の設置費用(15〜30万円程度)や廃材処理費なども必要です。

補助金や助成金の活用も検討しましょう。国や自治体によって様々な制度があり、工事費用の一部を補助してもらえる場合があります。申請は必ず工事前に行う必要があるため、事前の確認が重要です。

適切な断熱リフォームを行うためには、複数の業者から見積もりを取得し、内容を比較検討することをおすすめします。単に価格だけでなく、提案内容や使用材料、アフターフォローなども重視して判断しましょう。

屋根断熱リフォームの注意点

屋根断熱リフォームでは、施工方法によって効果が大きく左右されます。高い断熱効果を得るための重要なポイントを確認しましょう。

これらの対策を適切に行うことで、効果的な断熱性能を実現できます。

注意点1:通気層の確保

屋根断熱における最重要ポイントは適切な通気層の確保です。通気層とは断熱材の外側に設ける空気の通り道で、単に空間を設けるだけでは不十分です。

通気層を適切に設置することで屋根の温度上昇を20〜30℃程度抑えることが可能となります。空気を効率的に流すためには通気層の入口(軒裏換気)と出口(棟換気)の両方を必ず確保することが重要です。

特に棟換気は要となる部分であり、屋根形状に応じて空気が効率よく流れる仕組みを作る必要があるでしょう。

通気性が悪いと湿気が充満し結露やカビの原因となるため、専門家の適切な施工が不可欠です。

注意点2:防湿層の設置

屋根断熱を行う際は室内側に防湿層を設けることが非常に重要です。防湿層は室内の湿気が屋根の断熱材や構造材に入り込むことを防ぐ役割を果たします。

防湿層には湿気を通さない防湿気密シートなどを使用するのが一般的です。これは壁の断熱と同様に欠かせない工程で、適切に施工しなければ断熱材の性能低下や建物の劣化につながる可能性があります。

とりわけ湿気に弱い繊維系断熱材を使用する場合は防湿層の設置が不可欠となります。または結露計算を行い、結露が発生する可能性がないことを確認してから計画を進めることが賢明でしょう。

注意点3:結露対策

結露は建物の耐久性に大きく影響するため、その対策は慎重に行う必要があります。特に屋根断熱では室内外の温度差が大きいため結露リスクが高まります。

結露対策の基本は適切な通気層と防湿層の設置にあります。通気層により屋根材の温度上昇を抑え、防湿層で室内からの湿気を防ぐことで結露発生を防止できるのです。

断熱材の選択も重要な要素です。繊維系断熱材使用時は必ず防湿層を設置し、発泡系断熱材使用時も接合部からの湿気侵入に注意が必要となります。

結露が生じるとカビや腐食の原因となり、知らぬ間に建物を劣化させる恐れがあるため、専門家による適切な施工が求められます。

屋根断熱リフォームの相談はトベシンホームまで

FCRトベシンホームの画像
スクロールできます
項目詳細
会社名FCR株式会社(トベシンホーム)
本社所在地〒271-0064
千葉県松戸市上本郷2868-8
Googleマップ
電話番号0120-685-126
営業時間8:00〜20:00 年中無休

トベシンホームは、関東圏で屋根断熱リフォームの豊富な施工実績を持つ外装リフォーム専門店です。千葉県・埼玉県・茨城県それぞれの気候特性や建築様式を熟知したプロフェッショナルが、お客様の住まいに最適な断熱工事をご提案いたします。

断熱リフォームは快適性と資産価値を左右する重要な工事です。当社では現地調査から施工、アフターフォローまでを自社の専門スタッフが一貫して担当することで、高品質な施工と適正価格を実現しています。

また、利用可能な補助金や助成金についても詳しく説明し、申請手続きのサポートも行っております。

屋根の断熱性でお悩みの方は、まずは無料診断をご利用ください。経験豊富なスタッフが最適な工法と断熱材をご提案いたします。

\まずは気軽にご相談ください!専門スタッフが丁寧に対応します/
メールアイコン お問い合わせはこちら

まとめ

屋根断熱リフォームは、室内環境の快適性向上と光熱費削減、そして屋根裏空間の有効活用を実現する重要な工事です。

断熱と遮熱の違いを理解し、屋根断熱と天井断熱のどちらが適しているかを判断することが第一歩となります。

工法は外張り断熱、充填断熱、内張り断熱、断熱塗装の4種類があり、それぞれ特徴が異なります。

断熱材も無機繊維系、発泡プラスチック系、木質繊維系、天然素材系など多様な選択肢があるため、建物の状態や予算に合わせて最適な材料を選びましょう。

屋根断熱のメリットは室内温度の快適化、光熱費の削減、屋根裏空間の活用、結露防止など多岐にわたります。

一方で初期費用の高さや工期の長さなどのデメリットもあるため、総合的に判断することが大切です。施工時には通気層の確保や防湿層の設置、結露対策などの重要ポイントを押さえ、経験豊富な専門業者に依頼することをおすすめします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次