「20坪の家の屋根葺き替え、費用はどのくらいかかるんだろう」
「見積書の金額が相場より高くないか心配」
屋根葺き替え工事を検討する際、このような不安を抱える方は少なくありません。特に20坪程度の一般的な住宅では、工事費用の相場観がつかみにくく、判断に迷うものです。
20坪の屋根葺き替え工事では、一般的に100万円から160万円ほどが費用相場となります。
ただし、この金額は屋根材の種類や建物の状態によって大きく変動するため、正しい知識がないと必要以上の出費を強いられる可能性があるでしょう。
この記事では、20坪の屋根葺き替え工事における費用相場から、屋根材の選び方、施工事例、信頼できる業者の探し方まで詳しく解説します。
工事費用を抑えるためのポイントも紹介しているので、リフォームをご検討中の方はぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
- 20坪の葺き替え費用相場は100〜160万円
- 屋根形状や築年数で費用は変動する
- 地域密着型の業者がおすすめ

屋根工事45年のプロフェッショナル。日本瓦から最新屋根材まで3万件以上の施工実績を持ち、独自開発した「増山式耐風工法」は台風対策として業界で高評価。文化財修復にも携わりながら、職人育成学校での若手指導や各メーカーの製品開発顧問として、伝統技術の継承と革新に貢献。
20坪の屋根葺き替え工事の費用相場
20坪の屋根葺き替え工事では、屋根材の選択や建物の状態によって費用が大きく変動します。
ここでは、一般的な費用相場から屋根材ごとの比較、具体的な費用内訳まで詳しく解説します。
これらの情報を理解することで、見積書の妥当性を判断する基準として活用できるでしょう。
屋根材別の費用比較
屋根材の種類によって、工事費用は大きく異なります。20坪の住宅における屋根材別の費用相場は以下の通りです。
既存屋根材 | 新規屋根材 | 総額費用目安 |
---|---|---|
瓦 | スレート | 100~160万円 |
瓦 | ガルバリウム鋼板 | 120~180万円 |
スレート | スレート | 120~160万円 |
スレート | ガルバリウム鋼板 | 120~180万円 |
トタン | ガルバリウム鋼板 | 120~160万円 |
この価格差は、主に屋根材自体の単価に加え、撤去・処分費用の違いによって生じています。瓦は重量があるため撤去費用が高くなりますが、建物の防音性や耐久性に優れる特徴があります。
一方、ガルバリウム鋼板は軽量で施工がしやすく、工期も短縮できるため人件費を抑えられる利点があるでしょう。スレートは価格を抑えられますが、耐用年数は他の材料と比べて短くなる傾向にあります。
選択する屋根材によって、耐用年数や将来のメンテナンス費用も変わってくるため、初期費用だけでなく長期的な視点での検討が必要です。
たとえば、瓦の耐用年数が50年以上なのに対し、スレートは20~30年、ガルバリウム鋼板は30年程度となっているでしょう。
屋根材の費用や特徴について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

工事費用の具体的な内訳
20坪の屋根葺き替え工事における費用の内訳は、以下の通りです。
工事項目 | 単価(1㎡あたり) |
---|---|
既存屋根材の撤去費 | 1,500~3,000円 |
廃材処分費 | 1,500~3,000円 |
新規屋根材(瓦) | 8,000~12,000円 |
新規屋根材(スレート) | 5,000~8,000円 |
新規屋根材(ガルバリウム鋼板) | 6,500~9,000円 |
下地補修費用 | 2,500~3,500円 |
防水シート施工費 | 500~1,500円 |
足場費用 | 900~1,500円 |
これらの費用に加えて、諸経費として工事総額の10%程度が別途必要です。
20坪の住宅の場合、屋根面積は約48㎡となります。この面積に各単価を掛けることで、おおよその費用を計算することが可能です。
なお、下地の状態や建物の形状によって費用は変動します。とくに古い建物の場合、下地の劣化が見つかり、予定外の補修費用が発生することも少なくありません。
そのため、見積もり金額の15〜20%程度は予備費として確保しておくことをおすすめします。実際の工事依頼では、これらの単価を参考に見積書の妥当性を判断するとよいでしょう。
屋根葺き替え工事の費用相場について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

屋根面積の計算方法
屋根葺き替え工事の費用見積もりには、正確な屋根面積の把握が欠かせません。20坪の建物の屋根面積は、以下の簡単な計算で求めることができます。
基本の計算式:建物面積(20坪 × 3.3㎡)× 勾配係数(1.077)= 屋根面積
例えば20坪の場合:66㎡(20坪 × 3.3㎡)× 1.077 = 約71㎡
これが屋根の実面積の目安となります。ただし、この計算方法は最もシンプルな形状の場合です。実際の建物では、下屋(一階部分の屋根)の有無や屋根の形状によって面積は変動します。
より正確な面積を知りたい場合は、建物の間取り図から以下の手順で計算できます。
- 建物の縦横の寸法を確認(例:6m × 5.5m)
- 軒の出(一般的に45cm)を加える
- 計算式:(6m + 0.9m)×(5.5m + 0.9m)× 1.077
- 結果:約47.56㎡が実際の屋根面積
このように、建物や屋根の形状によって実面積は大きく異なります。正確な費用見積もりのためには、必ず業者による現地調査を依頼することをおすすめします。
葺き替え工事の費用が変動する3つの要因
同じ20坪の住宅でも、建物の状態によって葺き替え工事の費用は大きく変動します。ここでは、工事費用に影響を与える主な3つの要因について解説していきます。
これらの要因を理解することで、より正確な費用の見積もりが可能となるでしょう。実際の工事計画では、これらの要因を考慮した予算設定が重要です。
要因1:屋根形状
屋根形状は工事費用を大きく左右する重要な要因です。最も一般的な切妻屋根と比べ、寄棟屋根や入母屋屋根などの複雑な形状の場合、工事費用は15〜20%ほど増加します。
屋根の勾配も重要な要素となります。一般的な4寸勾配(約22度)より急な勾配の場合、作業効率が低下し、安全確保のための追加措置も必要となるため、費用は10〜15%ほど増加するでしょう。
さらに、下屋(一階部分の屋根)の有無も考慮が必要です。下屋がある場合、屋根の総面積が増加するだけでなく、接合部分の処理など細かな作業が必要となり、標準的な工事費用から10〜15%の追加費用が発生します。
要因2:建物の築年数
築年数が長くなるほど、屋根の下地材の劣化が進行している可能性が高まります。特に築25年以上の建物では、野地板の腐食や垂木の劣化が見られることが多く、下地の補修や交換が必要となるケースがあります。
標準的な下地調整費用は1平方メートルあたり2,500〜3,500円ですが、広範囲の腐食が見つかった場合は、野地板の全面交換が必要となり、大幅な追加費用が発生します。
20坪の住宅では、下地の全面交換で30〜50万円程度の費用増加となるでしょう。
また、古い建物では防水シートが未施工であることも多く、新規の防水対策も必要となります。建物の状態によっては、当初の見積もりから20%以上費用が増加する可能性もあります。
屋根の耐用年数と葺き替えタイミングについて、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

要因3:アスベスト処理の有無
2004年以前に施工されたスレート屋根には、アスベストが含有されている可能性があります。アスベスト含有材の撤去・処分には特殊な工法と設備が必要となり、費用は通常の1.5〜2倍になることがあります。
通常のスレート撤去費用が1平方メートルあたり3,000円程度であるのに対し、アスベスト含有材の場合は5,000〜6,000円に跳ね上がります。20坪の住宅では、アスベスト処理だけで30〜50万円の追加費用が発生する計算です。
さらに、アスベストの飛散を防ぐための養生や作業員の安全対策も必要となるため、工期も通常より長くなる点に注意が必要です。建築年代の確認は、見積もり時の重要なポイントとなるでしょう。
失敗しない屋根葺き替え業者の探し方
屋根葺き替え工事を成功させるためには、信頼できる業者選びが不可欠です。取り返しのつかないトラブルを避けるためにも、業者選びには慎重な判断が求められます。
適切な業者を選ぶことで、予算内での確実な工事実施が可能となるでしょう。ここでは、失敗しない業者選びのポイントを具体的に解説していきます。
地域密着型の業者を探す
地域密着型の業者には、その地域特有の気候条件や建築様式を熟知しているという大きな利点があります。
たとえば、台風の多い地域では耐風性を考慮した施工方法を提案でき、降雪地域では雪の重みに耐えられる補強を行えるでしょう。
また、アフターフォローの面でも地域密着型の業者は有利です。工事後の不具合や経年による問題が発生した際にも、迅速な対応が期待できます。
さらに、地域での評判や実績が確認しやすく、信頼性の判断材料としても有効です。
複数社から相見積もりを取る
同じ工事内容でも、業者によって見積金額に大きな差が生じることがあります。一般的な相場では、最高額と最低額で30%以上の差が出ることも珍しくありません。
そのため、最低でも3社以上から見積もりを取得することが推奨されます。
見積もりの比較では、単なる金額だけでなく、工事内容の詳細や使用する材料の品質、保証内容なども重要な判断材料となります。
特に足場代や廃材処分費、諸経費といった項目は、業者によって計上方法が異なるため、しっかりと確認が必要です。
屋根葺き替えの見積書の見方や確認するべきポイントついて、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

実績・評判を参考にする
業者の実績や評判は、工事の品質を判断する重要な指標となります。施工実績が豊富な業者は、様々な建物形状や条件での工事経験を持っており、予期せぬ問題への対応力も期待できます。
具体的な実績写真や、過去の施工事例などの提示を求めることも有効です。また、地域での評判や口コミ情報も参考になるでしょう。
ただし、突然の訪問営業や「今なら特別価格」といった営業手法には要注意です。見積書の内訳が曖昧で「一式」と記載されているケースや、頭金を過度に要求するケースも、業者選びの際の警戒サインとなります。
屋根葺き替えの業者の探し方や見極め方について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

屋根葺き替え工事はトベシンホームにご相談ください

項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | FCR株式会社(トベシンホーム) |
本社所在地 | 〒271-0064 千葉県松戸市上本郷2868-8 Googleマップ |
電話番号 | 0120-685-126 |
営業時間 | 8:00〜20:00 年中無休 |
トベシンホームは、千葉県・埼玉県・茨城県を中心に20坪規模の屋根葺き替え工事を多数手がけてきた外装リフォーム専門店です。
地域の気候特性を熟知したプロフェッショナルが、お客様の建物の状態を詳しく調査し、最適な工事プランをご提案いたします。
私たちの強みは、調査から施工、アフターフォローまでを自社スタッフが一貫して担当する体制です。これにより、高品質な施工と適正価格を実現しています。
さらに、補助金申請のサポートも行っており、お客様の費用負担を最小限に抑える工夫も怠りません。
新しい屋根材の選定や施工方法でお悩みの方は、ぜひトベシンホームへご相談ください。
まとめ
20坪の屋根葺き替え工事の費用相場は、100万円から160万円が一般的です。
この費用は屋根材の種類や建物の状態によって大きく変動し、屋根形状、築年数、アスベスト処理の有無などが主な変動要因となります。
工事を成功させるためには、複数社からの見積もり取得や、実績のある業者選び、予備費の確保など、いくつかの重要なポイントがあります。
特に予期せぬ追加工事に備えて、見積金額の15~20%程度の余裕を持った予算計画を立てることが重要です。
業者選びの際は、実績や施工体制、アフターフォローの充実度などを総合的に判断し、信頼できる業者を選ぶことで、費用対効果の高い葺き替え工事が実現できるでしょう。