「築20年以上経つけど、葺き替え工事はするべき?」
「葺き替えするメリットはあるのかな」
「工事するべきか判断できない」
多くの方が屋根の葺き替え工事を検討する際、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。特に大規模な工事となる葺き替えは、費用面での不安が大きいものです。
しかし、適切な時期に葺き替え工事を行うことで、建物の寿命を延ばし、耐震性を高めることが可能となります。むしろ工事の先送りは、建物への深刻なダメージを招くリスクを伴うのです。
この記事では、葺き替え工事の3つのメリットから工事を判断するための基準まで、具体例を交えて解説していきます。これらの情報は、あなたの大切な住まいを長く安全に保つための判断材料となることでしょう。
この記事のポイント
- 既存屋根材を全撤去し新材料に交換する大規模工事
- メリットは建物の寿命延長、耐震性の向上、断熱性能の改善
- デメリットは高額な工事費用、長い工期、廃材による近隣トラブルの可能性
- 工事判断の基準は屋根の耐用年数、劣化状態、予算の3点

屋根工事45年のプロフェッショナル。日本瓦から最新屋根材まで3万件以上の施工実績を持ち、独自開発した「増山式耐風工法」は台風対策として業界で高評価。文化財修復にも携わりながら、職人育成学校での若手指導や各メーカーの製品開発顧問として、伝統技術の継承と革新に貢献。
屋根葺き替え工事とは?
屋根葺き替え工事は、既存の屋根材を全て撤去し、新しい屋根材に交換する大規模な改修工事です。
屋根材だけでなく、下地材や防水シートなども含めて新しく設置することで、新築時と同等の性能を取り戻すことができます。
一般的な工期は10〜20日程度で、費用は30坪の住宅で120〜200万円ほどが相場となっています。建物の状態や工事内容によって、工期や費用は変動するでしょう。
屋根葺き替えは、雨漏りや耐震性の問題を抱える建物にとって、最も確実な改修方法といえます。特に築25年以上の建物や、下地材の劣化が進行している場合には、葺き替え工事が推奨されるのです。
部分的な補修やカバー工法では対処できない深刻な劣化に対して、葺き替え工事は建物全体の耐久性を高める効果的な解決策となります。ただし、工事費用は他の工法と比べて高額となるため、建物の状態や予算を考慮した慎重な判断が必要でしょう。
このように葺き替え工事は、建物の長寿命化と資産価値の維持に直結する重要な投資となります。施工後は新築同様の性能が得られ、30~40年という長期的な耐用年数を期待できます。
屋根の葺き替え工事の基礎知識や工期・費用相場について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

屋根葺き替え工事のメリット
屋根葺き替え工事には、建物の価値を大きく向上させる重要なメリットがあります。以下の3つの観点から、葺き替え工事の効果について解説します。
これらのメリットは、快適で安全な住まいを長期的に維持するための重要な要素となります。
メリット1:建物の寿命延長効果
葺き替え工事は、屋根を新築時と同等の状態に戻すことができます。既存の屋根材を完全に撤去し、野地板や防水シートまで新しく施工するため、建物全体の耐久性が大幅に向上するのです。
特に重要なのは、目視では確認できない下地材の状態まで改善できる点です。雨漏りによる腐食や、経年劣化による強度低下も、葺き替え工事で解消することが可能です。
新しい屋根材と防水シートの施工により、雨風や紫外線から建物を確実に守ることができます。適切な施工と定期的なメンテナンスを行えば、30~40年という長期にわたって性能を維持することが可能となるでしょう。
メリット2:耐震性の向上
葺き替え工事では、既存の重い屋根材から軽量な材料への変更が可能です。例えば、和瓦から最新のガルバリウム鋼板に変更すると、屋根重量を約10分の1に軽減できます。
屋根が軽くなることで建物の重心が下がり、地震時の揺れに対する耐性が向上します。特に築年数の古い和瓦屋根の建物では、葺き替えによる耐震性の向上効果が顕著でしょう。
また、新しい下地材の使用により構造強度も向上します。現代の工法では、構造用合板など耐震性の高い材料を使用するため、建物全体の強度が増すことになります。これは、地震大国である日本の住宅にとって、非常に重要な利点といえるのです。
メリット3:断熱性能の改善
現代の屋根材には、優れた断熱性能を持つ製品が多く存在します。葺き替え工事で最新の断熱材一体型の屋根材を選択することで、室内の温度環境を改善することができます。
夏場は太陽熱の侵入を抑え、冬場は室内の暖気を逃がしにくくなるため、冷暖房の効率が向上します。これにより、エネルギー消費量の削減にもつながり、光熱費の低減も期待できるでしょう。
特に築年数の古い建物では、断熱材が不十分なケースが多く見られます。葺き替え工事は、そうした建物の断熱性能を現代の水準まで引き上げる絶好の機会となります。快適な室内環境の実現と、省エネルギー化を同時に達成できる点は、大きなメリットといえるのです。
屋根葺き替え工事のデメリット
葺き替え工事には注意すべきデメリットも存在します。工事の判断材料として、以下の3つの観点から解説します。
これらのデメリットを理解した上で、メリットと比較検討することが重要です。
デメリット1:工事費用の負担
葺き替え工事の最大のデメリットは、工事費用の高さにあります。30坪の住宅で120〜200万円前後、築年数が古く下地材の交換が必要な場合は200万円を超えることも少なくありません。
特に注意が必要なのは、工事開始後に追加費用が発生する可能性です。既存の屋根材を撤去してみると、予想以上に下地材が腐食していることが判明し、30〜50万円程度の補修費用が必要になるケースもあります。
さらに、アスベスト含有材の処理が必要になった場合は、特殊な廃棄処理費用が加算されます。工事前の入念な調査と、予算の余裕を持った計画が重要となるでしょう。
屋根の葺き替え工事の費用相場や補助金活用について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

デメリット2:工期が長い
一般的な葺き替え工事の工期は、10〜20日程度が目安となります。天候不良や下地材の補修が必要な場合は、さらに工期が延びることも考えられます。
工事中は足場の設置により、駐車スペースが使えなくなったり、日常生活に制限が生じたりします。また、騒音や振動が発生するため、在宅勤務や小さなお子様がいるご家庭では、工事期間中の生活への影響を考慮する必要があるでしょう。
特に雨天時は工事が中断されるため、当初の予定より工期が延びることもあります。このような工期の変動リスクを考慮した上で、工事時期を決定することが重要です。
屋根の葺き替え工事の期間や工事の流れについて、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

デメリット3:廃材による近隣トラブル
葺き替え工事では、既存の屋根材を全て撤去するため、大量の廃材が発生します。工事中は粉塵や破片が飛散しやすく、近隣への配慮が欠かせません。
特に瓦屋根の解体では、相当量の粉塵が発生します。防塵シートなどの対策を講じても、完全な防止は困難です。また、廃材の搬出作業による騒音や、一時的な交通の妨げになることもあるでしょう。
これらのトラブルを未然に防ぐため、近隣住民への事前説明や、工事による影響の説明が重要となります。業者選びの際には、近隣配慮の対策実績も重要な判断材料となるのです。
葺き替えするか判断するための3つの基準
葺き替え工事を検討する際は、建物の状態や経済的な要因など、様々な観点からの判断が必要です。以下の3つの基準について詳しく解説します。
これらの基準を総合的に判断することで、適切な工事時期を見極めることができます。
基準1:屋根の耐用年数
屋根材の種類によって耐用年数は大きく異なります。代表的な屋根材の耐用年数は以下の通りです。
- 和瓦:40~60年
- スレート:20~30年
- ガルバリウム鋼板:25~35年
- 軽量瓦:30~40年
ただし、これらは適切なメンテナンスを行った場合の目安です。海岸部や寒冷地など、環境条件が厳しい地域では耐用年数が短くなる傾向にあります。
耐用年数の75~80%が経過した時点で、専門家による詳細な点検を受けることをおすすめします。
屋根種類別の耐用年数について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

基準2:屋根の劣化状態
屋根の劣化は、いくつかの特徴的な症状として現れます。スレート屋根の場合、表面のヒビ割れや欠け、反り、色褪せなどが主な症状です。瓦屋根では、瓦のズレや割れ、漆喰の剥離が要注意のサインとなります。
特に以下のような症状が見られる場合は、早急な対応が必要でしょう。
- 雨漏りの形跡がある
- 屋根材の表面が著しく劣化している
- 複数箇所でヒビ割れや欠損がある
- 棟部分の漆喰が大きく剥離している
これらの症状を放置すると、建物全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。定期的な点検で劣化状態を把握することが重要です。
屋根の点検方法について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

基準3:工事予算
葺き替え工事では、建物の規模や屋根材の種類によって必要な予算が変わります。30坪の住宅の場合、屋根材別の一般的な費用は以下の通りです。
- ガルバリウム鋼板:120~150万円
- スレート:100~130万円
- 軽量瓦:150~180万円
- 和瓦:180~220万円
予算の検討では、追加費用の可能性も考慮する必要があります。下地材の腐食が見つかった場合の補修費用や、アスベスト含有材の処理費用など、予期せぬ出費に備えて、見積額の15~20%程度の余裕を持つことが賢明です。
屋根工事の種類別の費用相場について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

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項目 | 詳細 |
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まとめ
葺き替え工事は、建物の寿命延長や耐震性の向上、断熱性能の改善など、多くのメリットをもたらす大規模改修工事です。一方で、高額な工事費用や長い工期、近隣への配慮など、考慮すべき課題も存在します。
工事の必要性は、屋根材の耐用年数や劣化状態、予算などを総合的に判断することが重要です。早すぎる工事は不要な出費となりますが、遅すぎると建物全体に深刻なダメージを与えかねません。
適切な時期に信頼できる業者による葺き替え工事を行うことで、快適で安全な住まいを長期にわたって維持することができるでしょう。まずは専門家による点検を依頼し、建物の状態を正確に把握することから始めてください。