「アスファルトシングルでカバー工法って、本当にできるのかな…」
「ガルバリウムと比べて、どっちを選べばいいんだろう」
「思ったより高額になってしまわないか心配」
屋根のリフォームを検討する中で、このような不安や疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。特に、アスファルトシングルという素材を初めて耳にする方にとって、その特徴や工事方法を理解することは簡単ではありません。
実は、アスファルトシングルは屋根カバー工法に適した素材として注目を集めています。軽量で施工がしやすく、デザイン性にも優れているため、既存の屋根の上から新しい屋根材として施工されるケースが増えているのです。
この記事では、アスファルトシングルカバー工法の特徴から費用相場、メリット・デメリットまで詳しく解説します。ガルバリウム鋼板との比較も交えながら、あなたの家に最適な工法を見つけるためのポイントをお伝えしていきましょう。
この記事のポイント
- アスファルトシングルは軽量で柔軟性があり、既存屋根上からのカバー工法に適している
- 費用は30坪住宅で85〜105万円とガルバリウム鋼板より安く、工期も短い
- 高いデザイン性と豊富なカラーバリエーションが魅力
- 強風で剥がれるリスクや断熱性の低さがデメリット

屋根工事45年のプロフェッショナル。日本瓦から最新屋根材まで3万件以上の施工実績を持ち、独自開発した「増山式耐風工法」は台風対策として業界で高評価。文化財修復にも携わりながら、職人育成学校での若手指導や各メーカーの製品開発顧問として、伝統技術の継承と革新に貢献。
アスファルトシングルでカバー工法は可能?
アスファルトシングルは屋根カバー工法に適した素材です。柔軟性があり軽量なため、既存の屋根の上からでも施工が可能となっています。特にスレート屋根の上からの施工実績が豊富です。
ただし、すべての屋根に施工できるわけではありません。条件を確認しましょう。
施工可能な条件
アスファルトシングルでのカバー工法が可能な条件は、既存の屋根がスレート、金属、またはアスファルトシングルの場合です。中でもスレート屋根からの改修工事が最も一般的となっています。
屋根の形状については、通常の切妻屋根や寄棟屋根はもちろん、ドーム状や波形といった複雑な形状でも施工が可能です。これは、アスファルトシングルが柔軟性のある素材で、カッターやハサミでカットできる特性を持つためです。
施工不可能な条件
一方で、屋根の勾配が緩やかすぎる場合は施工できません。これは、雨水が適切に排水されず、屋根に溜まってしまう可能性があるためです。
また、防火地域や準防火地域に指定されている場合、一部の製品は使用できないことがあります。こうした地域では、「屋根飛び火認定」を取得した製品を選ぶ必要があるでしょう。
屋根カバー工法の基本的な知識や費用相場、事前に知っておくべきポイントについて、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

アスファルトシングルカバー工法の費用
アスファルトシングルカバー工法の費用相場は標準的な2階建て住宅(屋根面積80㎡)の場合、足場工事を含めた総額で85〜105万円程度となります。
項目 | 費用目安 |
---|---|
足場工事(養生込) | 15〜20万円 |
屋根工事 | 35〜45万円 |
板金役物工事 | 15〜25万円 |
諸経費・その他 | 10〜15万円 |
ただし、この金額は一般的な相場であり、屋根の形状や既存屋根の状態によって変動します。
既存屋根の補修や補強が必要となる場合は追加費用が発生するでしょう。また、換気棟の新設や雨樋の交換、棟板金の交換などが必要になると、それぞれの工事内容に応じて費用が上乗せされます。
工事前には必ず複数の業者から見積もりを取り、内容を詳しく確認することをおすすめします。
屋根カバー工法の費用相場について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

アスファルトシングルをカバー工法で使うメリット
アスファルトシングルカバー工法には、費用面や施工面で大きな利点があります。主なメリットは以下の3つです。
それぞれのメリットについて詳しく解説していきましょう。
メリット1:工事費用を抑えられる
アスファルトシングルカバー工法は、他の屋根材と比べて工事費用を抑えられる工法です。特にガルバリウム鋼板と比較すると、20〜25万円ほど費用を抑えることが可能です。
これは、アスファルトシングル自体の材料費が安価なことに加え、施工が比較的容易なため人件費を抑えられることが理由です。また、既存の屋根を撤去せずに施工できるため、廃材処理費用も不要となります。
メリット2:工期が短い
アスファルトシングルは柔軟性があり、カッターやハサミで簡単に加工できる素材です。そのため、施工に時間がかからず、一般的な住宅であれば2週間程度で工事を完了することができます。
また、既存の屋根を撤去する必要がないため、工期を大幅に短縮できるのも特徴です。さらに、軽量で持ち運びが容易なため、マンションの上階でも効率的に施工が可能となっています。
屋根カバー工法の期間について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

メリット3:デザイン性が高い
アスファルトシングルは豊富なカラーバリエーションを持つ屋根材です。表面に色のついた石粒を使用しているため、錆びや色褪せの心配もありません。
特に北欧風の住宅デザインとの相性が良く、温かみのある印象を与えることができます。また、柔軟性のある素材なので、ドーム状や波形といった複雑な形状の屋根でも美しく仕上げることが可能です。
アスファルトシングルをカバー工法で使うデメリット
一方で、アスファルトシングルカバー工法にはいくつかの課題もあります。以下の3つのデメリットについて確認しましょう。
デメリット1:強風で剥がれるリスク
アスファルトシングルは他の屋根材と比べて薄く軽量なため、強風による影響を受けやすい特徴があります。特に台風シーズンには、屋根材が捲れたり破損したりするリスクがあります。
また、棟板金の下地を屋根本体に直接打ち付けて固定するため、経年劣化によって棟板金が風であおられる可能性もあります。沿岸部など風の強い地域では、慎重に検討する必要があるでしょう。
デメリット2:断熱性が低い
アスファルトシングルは断熱性能が低く、夏場は屋根からの熱が室内に伝わりやすい特徴があります。瓦屋根のような空気層がなく、断熱材が一体化されたガルバリウム鋼板と比べると、快適性の面で劣ります。
そのため、エアコンの使用頻度が高くなり、電気代の上昇につながる可能性があります。特に、夏の暑さ対策を重視する場合は、この点を考慮に入れる必要があるでしょう。
デメリット3:耐用年数が短い
アスファルトシングルの耐用年数は商品によって異なりますが、一般的に15〜30年程度です。特に昔の製品は耐久性が低く、20年程度で劣化が目立ち始めることがあります。
一方、ガルバリウム鋼板の耐用年数は30〜40年以上と長く、メンテナンス頻度も少なくて済みます。長期的な視点で見ると、耐用年数の短さがランニングコストの増加につながる可能性があるのです。
屋根カバー工法の耐用年数について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

アスファルトシングルとガルバリウム鋼板の比較
屋根カバー工法で多く使用されるアスファルトシングルとガルバリウム鋼板について、特徴を比較しながら解説します。
それぞれの特性を理解し、最適な屋根材を選びましょう。
耐久性の違い
耐久性の面では、ガルバリウム鋼板が優位に立ちます。ガルバリウム鋼板は、アルミニウムや亜鉛、シリコンでできた防食層によって、30〜40年以上の耐用年数を誇ります。
一方、アスファルトシングルの耐用年数は15〜30年程度です。特に昔の製品は、ファイバーグラスの質が低く、経年劣化により水を含んで膨れ上がることもありました。現在の製品は品質が向上していますが、それでもガルバリウム鋼板には及びません。
断熱性能の差
断熱性能においても、ガルバリウム鋼板が優れています。日本で使用されるガルバリウム鋼板には断熱材が一体化されており、夏の暑さや冬の寒さを効果的に遮断することができます。
これに対し、アスファルトシングルは断熱材が含まれておらず、空気層もないため、屋根からの熱が室内に伝わりやすい特徴があります。そのため、冷暖房効率が下がり、光熱費の上昇につながる可能性があるでしょう。
コストパフォーマンス
初期費用ではアスファルトシングルが優位です。ガルバリウム鋼板と比較すると、20〜25万円ほど工事費用を抑えることができます。
しかし、長期的な視点で見ると、ガルバリウム鋼板の方が優れていると言えるでしょう。耐久性が高く、メンテナンス頻度も少ないため、ランニングコストを抑えられるためです。さらに、断熱性能による光熱費の削減効果も期待できます。
アスファルトシングルはこんな人におすすめ
アスファルトシングルは、特定のニーズを持つ方に適した屋根材です。以下のような方におすすめです。
初期費用を抑えたい方
予算を抑えて屋根リフォームを行いたい方にとって、アスファルトシングルは魅力的な選択肢です。材料費が比較的安価で、施工も容易なため、工事費用を抑えることができます。
また、既存の屋根を撤去せずに施工できるため、廃材処理費用も不要となります。限られた予算の中で屋根のリフォームを検討されている方には、最適な屋根材と言えるでしょう。
お洒落な屋根にしたい方
アスファルトシングルは、豊富なカラーバリエーションと温かみのある質感が特徴です。特に北欧風の住宅デザインと相性が良く、モダンでスタイリッシュな外観を実現できます。
表面の石粒による自然な風合いは、時間が経過しても色褪せることがありません。デザイン性の高い住まいづくりにこだわりたい方には、理想的な屋根材となるでしょう。
早期の工事完了を希望する方
工期をできるだけ短くしたい方には、アスファルトシングルがおすすめです。既存の屋根を撤去する必要がなく、軽量で加工がしやすい素材のため、一般的な住宅であれば2週間程度で工事を完了することができます。
また、雨の影響を受けにくい工法のため、天候に左右されにくいのも特徴です。早期の工事完了を希望される方や、できるだけ生活への影響を抑えたい方にとって、適した選択となるでしょう。
屋根カバー工法のご相談はトベシンホームへ

項目 | 詳細 |
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会社名 | FCR株式会社(トベシンホーム) |
本社所在地 | 〒271-0064 千葉県松戸市上本郷2868-8 Googleマップ |
電話番号 | 0120-685-126 |
営業時間 | 8:00〜20:00 年中無休 |
トベシンホームは、千葉県・埼玉県・茨城県を中心に屋根カバー工法を得意とする外装リフォーム専門店です。その地域特有の気候条件や建築様式を熟知したプロフェッショナルが、お客様の大切な住まいに最適な工事プランをご提案いたします。
当社の特徴は、事前の現地調査から施工、アフターフォローまでを自社の熟練スタッフが一貫して担当することです。これにより、確かな品質と適正価格を両立しています。また、補助金制度や火災保険の申請についても、経験豊富なスタッフが丁寧にサポートいたします。
屋根のことでお困りの際は、まずは無料診断をご利用ください。最短即日での現地調査も可能ですので、お気軽にご相談ください。
まとめ
アスファルトシングルカバー工法は、既存の屋根を撤去せずに新しい屋根を施工できる工法です。工事費用を抑えられることや工期が短いこと、デザイン性が高いことが特徴として挙げられます。
一方で、強風による剥がれのリスクや断熱性の低さ、耐用年数の短さといったデメリットもあります。そのため、建物の立地条件や予算、求める性能によって、ガルバリウム鋼板など他の屋根材との比較検討が必要でしょう。
特に初期費用を抑えたい方や、お洒落な屋根にこだわりたい方、早期の工事完了を希望される方には、最適な工法と言えます。ぜひ専門家に相談し、ご自身の条件に合った屋根材を選択してください。