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瓦屋根にカバー工法は不向き?工事できない理由と適切な修繕方法を解説

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「瓦屋根も屋根カバー工法で修繕できるのかな」
「業者からカバー工法を提案されたけど、本当に大丈夫なの?」
「瓦屋根の適切な修繕方法が知りたい」

瓦屋根の修繕方法として、カバー工法を検討される方は少なくありません。費用を抑えられる工法として注目を集めているためです。

しかし、瓦屋根へのカバー工法は構造上の問題から、専門家からは推奨されていない工事方法です。重量による建物への負担や、瓦特有の凹凸形状により、施工自体が難しい場合がほとんどと言えます。

この記事では、瓦屋根にカバー工法が適さない理由から、代替となる修繕方法、その費用相場まで詳しく解説します。建物に負担をかけず、長期的な視点で見ても適切な修繕方法を選択するための判断材料を紹介していきます。

この記事のポイント

  • 瓦屋根はカバー工法に不向き
  • 葺き替えか葺き直しが適切な工法
  • 定期的なメンテナンスが重要
この記事の監修者
増山親方
増山親方

屋根工事45年のプロフェッショナル。日本瓦から最新屋根材まで3万件以上の施工実績を持ち、独自開発した「増山式耐風工法」は台風対策として業界で高評価。文化財修復にも携わりながら、職人育成学校での若手指導や各メーカーの製品開発顧問として、伝統技術の継承と革新に貢献。

目次

瓦屋根のカバー工法が難しい3つの理由

瓦屋根へのカバー工法は、一見費用を抑えられる魅力的な選択肢に思えますが、実際には多くの課題があります。

以下の3つの理由から、専門家はカバー工法を推奨していません。

それぞれの理由について、詳しく解説していきましょう。

理由1:重量による建物への過度な負担

瓦屋根は1㎡あたり約60キロと、他の屋根材と比べて非常に重い屋根材です。この重量のある瓦屋根の上に、新たな屋根材や防水シートを重ねることは、建物に大きな負担をかけることになります。

特に築年数が経過した建物の場合、すでに経年劣化による強度の低下が進んでいる可能性が高いでしょう。ここにさらなる重量が加わることで、建物の耐震性が著しく低下する危険性があるのです。

このような状態は、地震時の揺れを大きくする原因となり、最悪の場合、建物の倒壊リスクを高めてしまう可能性すらあります。

理由2:瓦の凹凸による形状

瓦屋根特有の凹凸のある形状も、カバー工法を難しくする大きな要因となっています。瓦は重なり合う構造で雨水を流す設計になっており、表面には大きな段差があります。

この凹凸面の上に新しい屋根材を均一に施工することは、技術的に非常に困難です。仮に施工したとしても、屋根材の接合部に隙間が生じやすく、十分な防水性能を確保できない可能性が高いでしょう。

また、不均一な設置は新しい屋根材の耐久性にも影響を与え、早期劣化や破損の原因となる可能性があります。

理由3:雨漏りリスクの増加

カバー工法では、既存の瓦屋根の上から防水シートと新しい屋根材を重ねて施工します。しかし、瓦の隙間に雨水が侵入した場合、その水が抜けにくい構造となってしまいます。

この滞留した水分は、じわじわと下地を劣化させ、最終的には雨漏りの原因となるでしょう。さらに、通気性が悪くなることで結露も発生しやすくなり、カビや腐食の温床となる可能性も高まります。

このように、カバー工法は一時的な対処にはなりますが、長期的には新たな問題を引き起こすリスクを抱えているのです。

屋根カバー工法の基本的な知識や費用相場、事前に知っておくべきポイントについて、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

瓦屋根の修繕における推奨工法と費用相場

カバー工法が適さない瓦屋根の修繕には、状態や予算に応じて選べる2つの工法があります。それぞれの特徴と費用相場を解説していきます。

建物の状態や今後の使用計画に応じて、最適な工法を選択しましょう。

推奨工法1:葺き替え工事

葺き替え工事は、既存の瓦を全て撤去し、新しい瓦に交換する工法です。下地の野地板や防水シートも新しく張り替えるため、最も確実な修繕方法といえるでしょう。

一般的な戸建て住宅(30坪程度)の場合、工事費用は150〜200万円が相場で、足場代(20〜25万円)や廃材処理費用もここに含まれています。工期は天候にもよりますが、2〜3週間程度が一般的です。

新築時と同様の性能が得られ、30〜50年の耐用年数を期待できるのが大きな特徴と言えます。特に築30年以上が経過した建物には、この工法がおすすめです。

瓦屋根の葺き替え工事について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

推奨工法2:葺き直し工事

葺き直し工事は、既存の瓦を一時的に取り外し、下地の補修や防水シートの張り替えを行った後、同じ瓦を再利用する工法です。耐用年数が長い瓦の特性を活かした、経済的な修繕方法といえます。

費用は一般的な戸建て住宅で70〜150万円程度。葺き替え工事と比べて新しい瓦の材料費が不要なため、費用を抑えることができるのです。工期は1〜2週間程度で完了します。

ただし、瓦自体に割れや欠けなどの損傷がある場合は不向きです。既存の瓦の状態が良好な場合にのみ検討できる工法といえるでしょう。

屋根カバー工法の費用相場について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

瓦屋根のメンテナンス時期

瓦屋根を長く維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。以下のタイミングでの点検・修繕をおすすめしています。

計画的なメンテナンスで、突発的な修繕費用の発生を防ぎましょう。

10年で点検が必要

築10年を目安に、専門家による屋根の点検を実施することをおすすめします。この時期は、瓦のズレや釘の緩みなどの軽微な不具合が現れ始める時期です。

点検費用は2〜5万円程度ですが、早期発見により大規模な修繕を防ぐことができます。特に台風や地震の後は、建物全体にかかる負荷で瓦がズレている可能性があるため、臨時の点検も推奨されます。

不具合が見つかった場合は、部分的な補修で対応可能なケースがほとんどです。定期点検を習慣づけることで、屋根の長寿命化につながるでしょう。

15年で塗り替えを検討

築15年前後で、瓦表面の劣化が目立ち始めるため、塗り替えの検討が必要になってきます。塗り替えは瓦の表面を保護し、耐久性を高める効果があります。

一般的な戸建て住宅の塗り替え費用は40〜80万円程度です。使用する塗料の種類によって耐用年数が異なり、シリコン系で7〜10年、ウレタン系で5〜7年の効果が期待できます。

工期は天候にもよりますが、通常5〜7日程度で完了します。この時期の塗り替えで、瓦本来の耐用年数を十分に発揮させることができるのです。

30年で葺き替えを推奨

築30年を迎えると、瓦自体の経年劣化が進行し、下地の腐食も懸念されるため、葺き替え工事の検討が必要になります。この時期を過ぎると、雨漏りのリスクが高まるためです。

定期的なメンテナンスを行っていても、防水シートの劣化や釘の腐食は避けられません。特に築35年以上が経過すると、部分的な修繕では対応が難しい不具合が増えてくるでしょう。

葺き替え工事は大きな費用が必要ですが、建物を長く維持するための重要な投資といえます。早めの対応で、より安全で快適な住環境を維持することができるのです。

瓦屋根の修繕工事はトベシンホームにご相談ください

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項目詳細
会社名FCR株式会社(トベシンホーム)
本社所在地〒271-0064
千葉県松戸市上本郷2868-8
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電話番号0120-685-126
営業時間8:00〜20:00 年中無休

トベシンホームは、千葉県・埼玉県・茨城県で多くの瓦屋根工事を手がけてきた実績を持つ、地域密着型の外装リフォーム専門店です。各地域の気候や建築様式を熟知したベテラン職人が、お客様の大切な屋根を丁寧に施工します。

当社では瓦屋根の葺き替えから葺き直しまで、建物の状態に応じた適切な工事方法をご提案いたします。事前の調査から施工、アフターフォローまでを自社スタッフが一貫して担当することで、確かな品質と適正価格を実現しています。

瓦屋根の状態でお悩みの際は、ぜひ当社の無料点検をご利用ください。最短即日での現場調査も可能ですので、お気軽にご相談ください。

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まとめ

瓦屋根へのカバー工法は、重量による建物への負担や凹凸のある形状など、構造的な問題から施工が困難な工法です。むしろ雨漏りのリスクを高める可能性があるため、専門家からは推奨されていません。

代わりに、瓦屋根の修繕には葺き替えや葺き直しといった工法が適しています。築年数や劣化状態に応じて工法を選択し、定期的なメンテナンスを行うことで、屋根の寿命を延ばすことが可能です。

特に築10年での点検、15年での塗り替え、30年での葺き替えといった計画的な修繕を行うことで、突発的な不具合や過大な修繕費用の発生を防ぐことができるでしょう。

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