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屋根葺き替えで野地板(下地)は交換すべき?費用や寿命まで詳しく解説

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「葺き替え工事で野地板も交換する必要があるのかな」
「野地板の交換にどのくらいの費用がかかるんだろう」
「業者から勧められた工事内容は本当に必要なのか不安」

屋根の葺き替え工事を検討する中で、このような不安を抱える方は少なくないでしょう。

特に野地板は普段目にすることがない部分だけに、その重要性や交換の必要性を判断することは難しいものです。

野地板は屋根材を支え、建物の耐久性を左右する重要な部材です。雨漏りや劣化が進んでからでは、工事費用が大幅に膨らむ可能性があるため、適切なタイミングでの交換判断が求められます。

この記事では、野地板交換の必要性から費用相場、工事内容の選び方まで、プロの視点から詳しく解説します。

野地板の種類や寿命、メリット・デメリットまで具体的に紹介していくので、葺き替え工事での野地板交換を検討されている方はぜひ参考にしてください。

この記事のポイント

  • 野地板は屋根材を支える重要な下地材
  • 野地板工事には増し張りと張り替えがある
  • 築30年超えは交換を検討すべき
この記事の監修者
増山親方
増山親方

屋根工事45年のプロフェッショナル。日本瓦から最新屋根材まで3万件以上の施工実績を持ち、独自開発した「増山式耐風工法」は台風対策として業界で高評価。文化財修復にも携わりながら、職人育成学校での若手指導や各メーカーの製品開発顧問として、伝統技術の継承と革新に貢献。

目次

【結論】屋根葺き替えは野地板を交換する工事

屋根の葺き替え工事では、既存の屋根材を全て撤去して新しい屋根材に交換します。この際、屋根材の下に設置されている野地板の状態も確認することが可能です。

築30年以上が経過した建物の場合、野地板の劣化が進行していることも少なくありません。特に雨漏りの形跡がある場合は、野地板が腐食している可能性が高いでしょう。

野地板の交換方法には「増し張り」と「張り替え」の2種類があります。増し張りは既存の野地板の上から新しい野地板を重ねる工法で、張り替えは古い野地板を撤去して新しい野地板に交換する工法です。

一般的な葺き替え工事では、古い野地板をそのまま活かした増し張り工事を選択することが多いといえます。ただし、雨漏りによる野地板の腐食が確認された場合は、腐食部分の張り替えが必要となります。

野地板は建物の資産価値や耐久性を左右する重要な部材です。そのため、葺き替え工事の際は野地板の状態をしっかりと確認し、適切な交換方法を選択することが大切です。

屋根葺き替え工事の費用や工期について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

野地板とは?

野地板は屋根材とその下の防水シートを支える重要な下地材です。屋根の耐久性や耐震性を高める役割があり、建物の資産価値を大きく左右する部材といえるでしょう。

以下では、野地板の基本的な役割と種類について詳しく解説します。

野地板の状態を理解することは、屋根工事の判断において重要なポイントとなります。

野地板の役割

野地板は垂木と呼ばれる屋根の骨組みの上に設置され、屋根材を固定する土台となる部材です。

この部材には主に3つの重要な役割があります。

1つ目は屋根材をしっかりと固定し、強風で飛散するのを防ぐこと。2つ目は建物の耐震性を向上させること。そして3つ目は雨漏りから建物を守る防水層を形成することです。

特に最近の戸建て住宅では、耐震性能を高める構造用合板を野地板として採用することが一般的となっています。

これにより、地震に対する建物全体の強度が向上するという利点があります。

野地板の種類

野地板には大きく分けて3種類あり、それぞれ特徴が異なります。

構造用合板は現代の住宅で最も使用されている野地板です。厚さ12mm以上の合板で、耐震性と耐風性に優れた特徴を持っています。

バラ板は昔からある野地板で、幅8〜12cmの杉板を使用します。通気性が良く耐久性に優れているものの、耐震性は構造用合板より劣ります。

耐火野地板は防火地域や準防火地域で使用が義務付けられている特殊な野地板です。30分以上の耐火性能を持ち、火災に対する安全性が高いという特徴があります。

葺き替えで野地板を張り替えるメリット

野地板の張り替えには、建物の長期的な価値を高める重要なメリットがあります。以下では主な2つのメリットについて詳しく解説します。

これらのメリットを理解することで、工事の必要性を適切に判断できるでしょう。

メリット1:屋根全体の耐久性が向上する

野地板を新しく張り替えることで、屋根全体の耐久性が大きく向上します。新しい野地板は構造用合板を使用するため、建物の耐震性も高まるという利点があるでしょう。

特に古い建物では、バラ板が使用されていることが多いため、構造用合板への交換で耐震性が格段に向上します。現代の野地板は耐水性に優れた接着剤で製造されており、腐食にも強い特徴を持っています。

適切な施工と定期的なメンテナンスを行えば、新しい野地板は30〜40年の耐用年数を期待できます。長期的な視点で見ると、建物の資産価値を高める重要な投資といえるでしょう。

メリット2:雨漏りを根本的に解決できる

野地板の張り替えは、雨漏りの原因を完全に特定し、解決できる最も確実な方法です。既存の屋根材を全て撤去することで、目視できない部分の損傷も発見が可能となります。

新しい野地板の設置と共に、最新の防水シートを使用することで、防水性能も大幅に向上するでしょう。これにより、今後数十年にわたって雨漏りの心配のない屋根に生まれ変わることができます。

また、雨漏りによって腐食した垂木などの構造材も、この機会に補修や交換が可能となります。建物全体の耐久性向上にもつながる重要なメリットといえます。

屋根葺き替え工事のメリットや工事の判断基準について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

葺き替えで野地板を張り替えるデメリット

野地板の張り替えには課題もあります。工事を検討する際は、以下の2つのデメリットについても理解しておく必要があるでしょう。

これらのデメリットを踏まえた上で、工事の実施を判断することが重要です。

デメリット1:工事費用が高額になる

野地板の張り替えは、増し張り工事と比べて1.5~2倍の費用がかかります。既存の野地板を撤去する手間と、処分費用が必要となるためです。

30坪程度の住宅で野地板の張り替えを行う場合、撤去・処分費用だけで30~50万円程度が必要となるでしょう。新しい野地板の材料費と施工費を合わせると、野地板工事だけで100万円前後の費用が発生する可能性もあります。

また、工事中に予期せぬ不具合が見つかった場合は、追加の補修費用が必要となることも考慮に入れておく必要があります。

デメリット2:工期が長くなる

野地板の張り替え工事では、既存の野地板を慎重に撤去する必要があります。そのため、増し張り工事と比べて工期が2〜3日程度長くなるのが一般的です。

特に雨天時は野地板が露出した状態での作業ができないため、天候による工期の延長リスクも考慮が必要でしょう。工事中は騒音や振動も発生するため、近隣への配慮も欠かせません。

さらに、予期せぬ部分の腐食が発見された場合は、補修工事が必要となり、工期がさらに延びる可能性もあります。余裕を持った工事計画を立てることが重要です。

屋根葺き替え工事の期間や工事の流れについて、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

野地板工事は主に2種類

野地板工事には大きく分けて「増し張り工事」と「張り替え工事」の2種類があります。建物の状態に応じて、最適な工法を選択することが重要です。

それぞれの工法には特徴があり、建物の状態や予算に応じて選択する必要があるでしょう。

種類1:増し張り工事

増し張り工事は、既存の野地板の上から新しい野地板を重ねて張る工法です。最も一般的な野地板工事の方法といえるでしょう。

最大のメリットは、既存の野地板を撤去する必要がないため、工期が短く費用を抑えられる点です。また、野地板が2重になることで強度が増し、断熱性も向上する効果が期待できます。

ただし、既存の野地板に腐食や劣化がある場合は適していません。また、野地板が2枚重なることで屋根全体の重量が増加するため、建物の構造によっては選択できない場合もあるでしょう。

種類2:張り替え工事

張り替え工事は、既存の野地板を完全に撤去し、新しい野地板に交換する工法です。築年数が古く、野地板の劣化が進行している場合に選択される方法といえます。

この工法の最大の利点は、垂木など屋根の構造材までしっかりと確認できる点です。そのため、雨漏りによる腐食や白蟻被害なども発見しやすく、建物の耐久性を根本から改善できるでしょう。

一方で、野地板の撤去に手間がかかるため、工期は増し張り工事より2〜3日程度長くなります。また、撤去・処分費用も必要となるため、工事費用は増し張り工事の1.5〜2倍になることが一般的です。

野地板工事の費用相場

野地板工事の費用は、工事の種類や建物の広さによって大きく異なります。一般的な費用相場は以下の通りです。

工事種類費用相場(1㎡あたり)
増し張り工事3,000円
張り替え工事4,500円

なお、これらの費用は野地板工事単体の金額です。実際の工事では、屋根材の費用や足場代、廃材処分費なども必要となるでしょう。

また、腐食部分の補修や垂木の交換が必要になった場合は、追加費用が発生する可能性もあります。

見積もりの際は、工事内容の詳細や保証内容もしっかりと確認することが大切です。特に安価すぎる見積もりには注意が必要で、適切な材料を使用しない可能性もあるでしょう。

屋根葺き替え工事の種類別費用相場や業者の選び方について、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

野地板の耐用年数

野地板の耐用年数は、使用する材料や環境条件によって異なります。構造用合板の場合は30〜40年、伝統的なバラ板では40〜50年程度が一般的な目安となるでしょう。

ただし、これは適切な環境下での寿命です。雨漏りや結露が発生している場合、耐用年数は大幅に短くなる可能性があります。特に水回りの多い場所や、通気性の悪い環境では、予想以上に早く劣化が進行することもあります。

定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、野地板の寿命を延ばすことが可能です。屋根裏の換気を良好に保ち、雨漏りの早期発見に努めることが重要です。

屋根葺き替え工事のタイミングや耐用年数について、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

野地板の交換タイミング

野地板の交換時期は、築年数や劣化状態を総合的に判断して決める必要があります。目安として築30年以上が経過した建物では、葺き替え工事と合わせて野地板の状態も確認することをおすすめします。

特に注意が必要なのは雨漏りの形跡がある場合です。天井のシミや屋根裏の湿気、カビの発生などが見られる際は、野地板が腐食している可能性が高いでしょう。

また、屋根に乗った時にフカフカと沈み込む感覚がある場合も、野地板の劣化が進行しているサインといえます。

交換の判断に迷う場合は、専門家による詳細な点検を依頼することをおすすめします。早めの対応で、大規模な補修工事を防ぐことができるでしょう。

屋根葺き替え工事のおすすめ時期や放置するリスクについて、詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。

屋根葺き替え工事はトベシンホームにご相談ください

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項目詳細
会社名FCR株式会社(トベシンホーム)
本社所在地〒271-0064
千葉県松戸市上本郷2868-8
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電話番号0120-685-126
営業時間8:00〜20:00 年中無休

トベシンホームは、千葉・埼玉・茨城県を中心に野地板工事を含む葺き替え工事を数多く手がけてきた、地域密着型の外装リフォーム専門店です。

地域の気候特性や建築様式を熟知したプロの職人が、お客様の大切な住まいに最適な工事プランをご提案しています。

私たちの強みは、工事前の入念な調査と、工事後のアフターフォローまでを自社スタッフが一貫して担当する体制にあります。野地板の状態を正確に判断し、必要な工事を適正価格で実施することが可能です。

また、補助金申請のサポートも行っており、工事費用の削減にも貢献しています。

野地板の状態や工事の必要性についてお悩みの際は、当社の無料点検をぜひご活用ください。最短即日での現地調査を承っております。

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まとめ

野地板は屋根材を支え、建物の耐久性を左右する重要な部材です。築30年以上が経過し、雨漏りの形跡がある場合は、葺き替え工事に合わせた野地板工事を検討する必要があるでしょう。

野地板工事には増し張りと張り替えの2種類があり、建物の状態に応じて適切な工法を選択することが重要です。

費用面では増し張り工事が経済的ですが、野地板の劣化が進行している場合は、張り替え工事を選択することで建物の耐久性を根本から改善できます。

工事の実施を検討する際は、複数の業者から見積もりを取り、工事内容や費用の妥当性をしっかりと確認することをおすすめします。

適切な判断と施工により、長期にわたって安心できる屋根へと生まれ変わることができるでしょう。

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